ping値とは?インターネット速度との関係と改善方法を紹介!

2022年03月28日 更新日:2024年02月28日

インターネット

目次

ping値は回線速度と同様にインターネットの快適性を左右する要素です。この記事ではping値の意味と測定方法、ping値を改善する方法について解説します。

インターネットを快適に楽しむには、利用目的にあった回線速度と反応速度が欠かせません。このうち反応速度の指標となるのが「ping値(ピン値/ピング値)」です。

この記事ではping値が重要な理由や、十分ではない場合に起こる現象、ping値の測り方、理想のping値を出すための方法について解説します。

反応速度が勝敗を左右するオンラインゲームやデイトレードを行う方は必見です。

ping値とは

インターネット通信では、サーバー間で情報のやり取りが行われています。この送受信にかかる時間、タイムラグを表すのが「ping値」です。この数値が小さいほど反応(レスポンス)が良いことを示し、快適にインターネットを楽しめます。

ping値はインターネットの応答時間

ping値は「ピン値」または「ピング値」と呼ばれます。単位は「ms(ミリ秒)」です。ミリは1,000分の1を意味するので、20msなら0.020秒です。この値が小さいほど反応速度の速い優秀な回線といえます。

ping値はGoogleの「インターネット速度テスト」などのスピードテストで、回線速度と共に計測できます。利用するスピードテストによっては「レイテンシ」と表示されています。

ping値とレイテンシは本来異なる意味を持っています。情報伝達の往復にかかる時間を表すping値に対して、レイテンシが意味するのは片道にかかる時間です。両者はしばしば混同されますが、本来はping値=レイテンシではないことを知っておきましょう。

ping値の具体的なイメージ

ping値は回線の速度ではなく、ping値が小さいからといって例えばゲーム内で速く動けるわけではありません。コントローラーで入力した操作が素早く反映されるという意味です。

もう少し具体的に見ていきましょう。FPS(First Person Shooter、一人称視点のシューティングゲーム)で敵を倒すために弾を撃つ場合、「弾を撃つ」という行動は「コントローラーのボタンを押す」「『ボタンを押した』というコマンドがゲームサーバーへ送られる」「サーバーからボタンを押した結果(レスポンス)が返される」「画面上で弾を打つ」という流れで行われています。

ping値が高いと、ボタンを押してから発砲されるまでに時間差(タイムラグ)が生じてしまいます。FPSのようなゲームでタイムラグは致命的で、相手にも弾が当たっているはずなのに、こちらばかりダメージを追う「撃ち負け」が起こりやすくなります。

また他のプレイヤーが扱っているキャラクターが、瞬間移動しているように見えるのも、ping値が十分ではないからです。他のプレイヤーからは一人だけ行動が遅れているように見えます。

ゲーム以外でも画面表示が遅れたり、思った操作ができなくなったりということが起こります。用途に対して大きすぎるping値はユーザーにとって深刻な問題です。

インターネット速度とping値の関係

インターネット回線の速度(伝送速度=bps)と反応時間(ping値=ms)は、おおむね反比例の関係にあります。速い回線を使うほど、ping値は小さくなるということです。

その理由は「速さ×時間=距離」だからです。同じ距離にあるサーバーまで情報が往復するのにかかる時間は、速度が出るほど(bpsの値が大きいほど)短くなる(ping値が小さくなる)からです。

しかし、十分なping値の回線にもかかわらず、まれに「パケットロス」という現象が生じることがあります。パケットロスは、サーバーに情報を送ったはずなのにレスポンスが返ってこない現象で、ゲーム中などに起こると厄介なものです。

ping値が高くなればなるほど、パケットロスが発生しやすいというデータもあります。回線ごとのインターネット速度とping値の平均については、次の記事に掲載されていますので参考にしてください。

インターネット速度の平均について確認する

ping値の目安

ping値の標準的な数値は36ms~50msとされています。

しかし標準的なping値では、反応速度の遅れが勝ち負けに直結するFPSのようなオンラインゲームを楽しむには不十分です。15ms以下が理想といえるでしょう。

オンラインゲームといっても、あまり反応速度を要求しないものもあります。対戦ゲームなら標準的なping値でも楽しむことができますし、育成ゲームやRPG、シミュレーションなら、ping値はそれほど気にする必要はないでしょう。

インターネットの用途がメールやHPの閲覧、動画視聴の場合もping値は特に気にする必要はなく、回線選びは速度だけに注目すればよいでしょう。

用途別のインターネット速度の目安を確認する

ping値の測定方法

入力に対して反応が遅いと感じたら、ping値を測定してみましょう。利用するスピードテストツール(サイト)によって結果には差が出ますから、ping値の比較では同じツールを使いましょう。

Googleのインターネット速度テスト

手軽さからping値の測定に広く使われているツールです。

Googleで「スピードテスト」と検索するとトップに表示されます。右下の「速度テストを実行」をタップすればすぐに測定が始まり、「レイテンシ〇ミリ秒」と表示されるのがping値です。

Fast.com

検索サイトで「Fast.com」と検索すると、すぐに測定が始まります。下り速度の測定終了後に「詳細を表示」をクリックして表示される「レイテンシ」の値がping値です。

みんなのネット回線速度(みんそく)

回線タイプや住んでいる地域を入力していくことで、他の回線とping値を比較したり、平均値を確認したりできるサイトです。その他計測サイトやスマホ用の計測アプリについては、以下のリンクをご覧ください。

計測サイトやアプリについて詳しく確認する

ping値を下げるための方法

ここでは実際にping値を下げる方法を紹介します。気になる方は以下の方法を試してみてください。また、インターネット速度の上げ方は以下のサイトでも紹介しています。

インターネット速度の上げる方について確認する

1.固定回線を利用する

ping値の高い原因として、まず考えられるのはインターネット速度の低さですが、ここではパケットロスの発生を抑えることを中心にお話しします

回線の乗り換えなしにインターネット速度の低さを解消するには、接続環境を整えることが大切です。以下のリンクを参考にして、ポテンシャルを発揮できない原因を解消してください。

2.有線LANで接続する

無線LANルーターを使って固定回線へ接続すれば無線回線より安定します。しかし、有線LANでの接続には劣ります。障害物があったり干渉されたりで、パケットが破壊されやすいからです。

無線LANルーターで接続していてping値が大きい場合は、LANケーブルでの接続に切り替えてみましょう。

方法はインターネット回線がつながっているモデムのLANコネクタと、PCのLANコネクタをLANケーブルで接続するだけです。接続の前にはPCの電源を落とし、接続後に再起動してください。

3.LANケーブルを交換する

有線でモデムと接続しても、LANケーブルが劣化していると接続が不安定になり、ping値が大きくなりがちです。古いケーブルは内部が酸化していたり、つまずいたりイスの脚で踏んだりして断線している可能性もあります。

この問題を解消するにはケーブルを交換すればよいのですが、新しいケーブルを購入する際にチェックしてほしいのがカテゴリーです。

カテゴリーは「CAT.」の後に続く数字で判断できるのですが、大きいほど良いわけではありません。オンラインゲームに向くとされているのは、6もしくは6Aのカテゴリーです。

数字が小さいCAT.5だと、光回線のポテンシャルを十分に引き出せないため注意しましょう。

4.ルーターやハブを交換する

有線LANでのインターネット接続は、モデムに直接LANケーブルをつないで行います。複数の端末をつなぐ場合には、ルーターやハブが必要です。

ルーターとはモデムに複数の端末をつなぐための機器、ハブはLANコネクタを増やすための機器のことです。近年はルーターとハブが一体化したものが増え、ハブの存在感は薄くなりつつあります。

このルーターやハブのLANコネクタの劣化も、ping値が大きくなる原因です。そのためLANコネクタを交換するとping値が改善する可能性があります。

また、ルーターやハブそのものの劣化もping値に影響します。古くなっているようならルーターやハブの買い替えも検討しましょう。

インターネット速度とping値の関係を理解して快適なネット環境を

インターネットの反応速度が遅いと感じる場合、何らかの原因でping値が大きくなっているかもしれません。まずはスピードテストでping値を測定してみましょう。

その結果、ping値が大きいようなら、今回紹介した方法で改善を試してみてください。回線自体に問題がある場合は、利用する回線、プロバイダーの変更も検討しましょう。