インターネット速度の「アップロード」とは?快適に利用できる目安と改善方法

2022年03月28日 更新日:2024年02月28日

インターネット

目次

インターネットの速度の「アップロード」について解説します。利用目的に適した速度の目安や遅くなる原因とその対策を知ることで、より快適にインターネットを楽しむことができるでしょう。

プロバイダー選びや回線速度を測定する際、必ずといっていいほど「アップロード(上り)」という言葉を目にするでしょう。アップロードはインターネット速度のことで、「ダウンロード(下り)」と対になるものです。

この記事ではアップロードの意味と利用目的別の最適な速度、遅い原因と対策について解説します。目的にあったアップロード速度の回線を利用することで、ストレスなく快適にインターネットを楽しめるでしょう。

インターネット速度のアップロードとは

アップロードとは、端末からインターネット上にデータを送ること、またその速度(一定時間に送ることができるデータ量)をいいます。

「アップロードが速い」とは、一度に多くのデータを送ることができるという意味です。

回線の上り速度のこと

アップロードは「上り」とも呼ばれ、対になるのは「ダウンロード(下り)」です。

ダウンロードは、インターネット上から端末にデータを受け取ること、またその速度をいいます。

アップロードは、メールやLINEなどの送信、動画投稿などを行う際の速度です。十分な速度がないとデータの送信がスムーズに行えません。例えば近年増加しているWeb会議ではこちら側の動画や音声を参加者に送信します。このときアップロードが遅いと動画や音声が途切れがちになってしまいます。

ダウンロードは、メールの受信やHPの閲覧、インターネットでの動画視聴などを行う際の速度です。

回線速度は、従来ダウンロードが重視されていました。しかしSNSやWeb会議の普及により、アップロード速度も重視されるようになっています。

アップロードとダウンロードの速度を表す単位は、いずれも「bps(bit per second)」です。これは1秒あたりに転送されるデータ量を示しています。

この値が大きいほどアップロード(ダウンロード)が早いことを意味し、快適にインターネットを利用できます。

アップロードの最適な通信速度目安

アップロードが速いほど、快適にインターネットを利用できますが、利用目的によって必要なスピードは異なります。

下の表を見ると、文字、写真、動画とアップロードしたいデータ量が増えるほど、必要な通信速度が上がっていくことがわかります。

特にアップロード速度が求められるのはWeb会議のシーンです。アップロードが速い回線を使用することで、高画質な動画や音声をリアルタイムでスムーズに発信できるようになります。

用途 アップロード速度の目安
メール・LINE送信 1Mbps
SNSの投稿(テキスト・画像) 1~3Mbps
動画投稿(SNS・YouTube) 10Mbps
Web会議 10~15Mbps

インターネット速度の目安について詳しく確認する

アップロード速度が遅い原因

大勢が同時にデータを送信してサーバーに過度な負荷がかかるのを避けるため、アップロードの速度には制限がかけられています。そのほかにも、次のような原因でアップロード速度が遅くなることがあります。

複数人・複数機器の同時接続

サーバーへのアクセスが集中すると、アップロード速度は落ちてしまいます。例えばSNSへの投稿に時間がかかるのは、他にも大勢がアップロードしているのかもしれません。

同じインターネット回線に複数人が同時に接続していたり、スマホでメールを送信しながらPCで動画をアップロードしたりすると、アップロードが遅いと感じやすくなります。

Web会議では速度低下を避けるために、最大の参加人数が決められているものです。

LANケーブルなどの配線の問題

有線で接続している場合、LANケーブルの状態など配線の問題でアップロード速度が遅くなることがあります。LANケーブルは古くなると劣化し、断線しやすくなります。遅い通信規格にしか対応していないケースもあるでしょう。

コネクタに配線がしっかり接続されていない、あるいは通信機器の劣化もアップロードが遅くなる原因です。

まずはケーブルが劣化していないか、コネクタにケーブルがしっかり刺さっているかをチェックしてみましょう。

通信制限がかけられた

データ通信量に制限のあるプランで契約している場合、契約通信量を超えると通信制限がかかります。通常はアップロードとダウンロードの合計で規制がかかるため、例えば動画視聴のしすぎでアップロードが遅くなることがあります。

意外と知られていないのは、光回線でも通信制限がかかることです。あるプロバイダーでは、1日30GB以上のアップロードが通信制限の目安となっています。

契約している回線のアップロード速度が遅い

なっています。これは理論値なので、実際にはもっと遅くなるでしょう。

SNSへの画像や動画の投稿、Web会議などが増え、今の時代に合わなくなってきています。

CATVを利用したインターネット回線やモバイルWi-Fiの中にも、ダウンロードと比べるとアップロードの遅いものが見られます。回線自体のアップロードの遅さにストレスを感じているなら、回線の乗り換えを検討しましょう。

ネット回線に問題が発生している

これまで快適に使えていたのに、アップロードに時間がかかるようになった。このようなケースではインターネットの回線自体に問題が生じているのかもしれません。

システムのメンテナンスや通信障害などが考えられるため、プロバイダーのHPなどに何らかのアナウンスがないかを確認してみましょう。

ネット回線の問題でアップロードが遅くなっている場合は、復旧まで待つしかありません。

インターネット速度が遅い場合の対処方法について詳しく確認する

アップロード速度を改善する方法

アップロードが遅いと自分がストレスを感じるだけでなく、Web会議では他の参加者に迷惑をかけてしまいかねません。アップロードの遅さには何かしらの原因があります。その原因を特定して、速度を改善させるための対策を取りましょう。

1.接続されている端末数を減らす

インターネット回線の同時使用は、アップロード速度を低下させる原因です。その時間にアップロードしなければならないケース以外では、使用する時間帯をずらし、回線が空いているタイミングを狙うのが対策の一つです。

家庭内であれば、自分でインターネットに接続されている端末数を減らす対策がとれます。例えば、使っていないゲーム機の電源を落としてみたり、アップロードする間だけ家族に端末の使用を控えてもらったりしてください。

2.配線状況を確認して最適化する

有線接続ならLANケーブルやルーターなどの配線状況を確認してください。古いLANケーブルや劣化したものは、新しいものに交換しましょう。

その際にチェックしたいのは「CAT.」の後に続く数字で表されている「カテゴリー」です。光回線ならCAT.6以上のものを選ぶことでポテンシャルを引き出すことができ、速度の向上につながります。

古いルーターを使っているならば、LANポートやルーター自体の劣化が、アップロード速度を低下させているかもしれません。ポートを差し替えや、ルーターの買い替えなどの対策をとってみましょう。

無線(Wi-Fi)接続なら、ONUなどモデムとルーターをつなぐケーブルをチェックしてください。無線LANルーターが古いなら、買い替えも検討しましょう。

3.アップロードが早い回線を導入する

ADSLやCATVなどでインターネットに接続しており、アップロード速度に不満があるならば、現在の用途と回線速度がマッチしていないことが考えられます。この場合は、アップロードが速い回線に乗り換えるのが有効な対策です。

あるデータによると、ADSLとCATVのアップロード速度の平均値は、それぞれ2.9Mbpsと21.2Mbps、光回線は249.2Mbpsですから、劇的な速度の向上が期待できます。

自分でできる対策でアップロード速度が改善しなければ、光回線の導入を検討してください。

参考: 光回線の通信速度ランキング | 実測値を基に一番速い回線を紹介します! | みんなのネット回線速度(みんそく) 各回線タイプの平均値(直近3ヶ月)(2022年2月7日時点)

インターネット速度のアップロードに関するまとめ

動画投稿やWeb会議の増加によって、近年アップロード(上り)速度はより重視されるようになっています。アップロード速度が遅くストレスを感じているなら、同時接続を減らす、配線やルーターの状況を改善するなど自分でできる対策を試してみましょう。

それでも改善されない場合は、よりアップロードが高速な回線の導入を検討するとよいでしょう。

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