インターネット速度のダウンロードだけが遅い原因と対処法
2022年03月28日 更新日:2024年12月03日
インターネットを利用していて、データのダウンロードに時間がかかりストレスを感じている方は多いのではないでしょうか。この記事ではインターネット速度のうち「下り回線」の速度が低下する理由とその改善方法を紹介します。
インターネットの回線速度には「上り」と「下り」の2つがあります。上りはデータをアップロードするときの速度です。上り速度はメールやLINEを送信したり、SNSへ写真や動画を投稿したりする速さに影響します。
下りはデータをダウンロードするときの速度です。ホームページの閲覧や動画の視聴、オンラインゲームをプレーする際の速さに影響します。
最近ではWeb会議や動画配信をする方も増え、上り速度も重視されるようになってきました。しかし、サイトや動画の閲覧をはじめ下り回線を使用する機会の方が多いため、回線も混み合いやすく、ダウンロードだけが遅く感じやすいケースもあるでしょう。
今回はインターネット速度におけるダウンロードの速度が遅い原因について紹介します改善方法もあわせて解説するので、ダウンロードの遅さに悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
インターネット速度のダウンロードが遅い原因
通信速度が遅い原因には主に以下の3つがあげられます。
1.端末側の問題2.サーバー側の問題3.インターネット回線の問題それぞれ詳しくみていきましょう。
1.端末側の問題の場合
通信速度へ影響しやすいのがPCやスマートフォンなどの端末の問題です。自身が使用している端末も、以下の問題がないか確かめてみてください。
デバイスが低スペック
PCやスマートフォンの普及が進み、メーカーはユーザーのニーズに応え、さまざまなスペックのデバイス(端末)を世に生み出しています。高価格のデバイスは機能性が高く、通信速度も速いです。しかし、低価格のデバイスは必要最低限の機能を搭載したものが多く、通信速度も遅い傾向があります。
使っているデバイスのCPU・メモリ・HDD(SSD)の数値が平均よりも低い場合、デバイス自体が速度低下の原因となっている可能性があります。
ブラウザやアプリに問題がある
デバイスにインストールしているブラウザやアプリが通信速度に影響しているかもしれません。ブラウザには一度閲覧したウェブサイトの情報を一時的に保存するキャッシュ機能があります。キャッシュがたまっているとメモリを圧迫し、通信速度を低下させます。不要なキャッシュをこまめに消すようにすると、通信速度が改善するかもしれません。
アプリは起動していると端末に負担をかけます。特に複数のアプリがバックグラウンドで起動していると動作が重くなりやすいため、使っていないアプリは閉じておきましょう。
また、使用しているブラウザやアプリのバージョンが古いと通信速度が遅くなるケースもあります。定期的に更新を行い、不要であればアプリ自体をアンインストールしましょう。
Wi-Fiの電波が弱い
Wi-Fiは、無線接続でどこでもインターネット通信ができて便利です。しかし、電波が弱くなりやすい欠点があります。
電波が弱くなる理由には、ルーターや中継機と端末の距離、障害物の干渉などが関係しています。また、24時間稼働している場合にも電波の不調をきたしやすいです。電波の弱さが原因で通信速度が低下している場合は、有線接続に切り替えてみましょう。
ウイルスに感染している
デバイスがウイルスに感染すると、大量のデータを送信して回線を圧迫し、速度低下の原因になることがあります。
速度低下よりも情報漏洩などのリスクのほうが深刻であり、ウイルス対策ソフトなどですぐに除去する対応が必要です。まずはウイルスに感染しないために、ウイルスソフトを導入してセキュリティ診断を定期的に行いましょう。
2.サーバー側に問題がある
サーバー側の問題で通信速度が低下している可能性もあります。インターネットサイトのサーバーにアクセスが殺到すると、そのサイトのダウンロード速度は遅くなります。これはアクセスリクエストの処理にサーバー側が間に合っていないことが理由です。アクセスしてもつながらない場合には、サーバーがダウンしている可能性が高いでしょう。
サーバー側に原因があり、特定のサイトの通信速度が遅い場合、自身でできる対策はありません。通常は一時的なものであり、回復するまで待ちましょう。
3.インターネット回線に問題がある
インターネット回線の問題は、さまざまな要因が考えられます。通信速度の低下に影響している可能性のある要因を一つずつチェックしていきましょう。
回線の障害や混雑が発生している
回線に障害が発生していると通信速度は落ちます。長期的に続くようであれば、通信機器やデバイスなどの問題も疑ってください。
また、回線は混雑時にも通信速度が遅くなりがちです。特に夜間はインターネット利用者が増えるため、回線が混雑し、通信速度が低下しやすい傾向があります。夜間以外の時間帯はスムーズに接続できる場合、回線の混雑が原因の可能性が高いでしょう。
通信制限が発生している
利用できるデータ容量に制限のあるプランを利用している場合、通信制限によって通信速度が低下している可能性があります。
契約しているデータ容量に達してしまうと、通信速度は極端に低下します。データ使用量を確認すれば、通信制限が原因であるかは明らかです。
ONUやWi-Fiルーターが古い
回線自体に問題がなくても、接続機器に不調があると通信速度が遅くなる可能性があります。これは古いONUやWi-Fiルーターにみられやすい現象です。ONUやWi-Fiルーターが原因の場合、電源を入れ直すことで通信速度が改善する場合があります。
ONUの中にはルーターを内蔵しているものがあります。Wi-Fiルーターを挟んでいると通信速度が遅くなる原因になるため、ルーター機能を搭載しているONUならデバイスと直接つないでみましょう。無線よりも通信速度は速くなりやすいです。
インターネット速度のダウンロードだけが遅い場合の解決法
通信速度の問題は原因と解決法さえわかれば、すぐに改善できるケースも多いです。ここからはインターネット速度のダウンロードだけ遅い場合の解決法を紹介します。
Wi-Fiだけ遅い場合
Wi-Fiのダウンロード速度は有線接続に比べると遅いです。また、通信速度が回線の混雑状況に影響されやすく、遅いと感じるケースも少なくありません。
このようなWi-Fiの通信速度を改善するには、次のような方法があります。
Wi-Fiの再接続やルーターとデバイスの再起動を行う
Wi-Fiの通信速度は再接続を行うと改善することがあります。Wi-Fiの再接続方法は、端末側で接続のオン・オフを切り替える方法とルーターとデバイスを再起動する方法の2つがあります。一方を試して通信速度が変わらないようであれば、もう一方の方法も試してみてください。
Wi-Fiの周波数帯を変更する
Wi-Fi接続には、5GHz帯と2.4GHz帯の2つの周波数帯があります。5GHz帯は高速通信が魅力ですが、障害物に弱いのが欠点です。そのため、Wi-Fiルーターとデバイスの間に壁や家具があって電波が遮られると、通信速度が低下しやすくなります。
一方、2.4GHz帯は障害物に強い特徴を持ちます。対応機種も多く、パソコンやスマートフォン以外に家電なども2.4GHz帯で接続されます。ただし2.4GHz帯は、5GHz帯に比べて通信速度は遅いです。
それぞれの周波数帯は一長一短があるので、必要とする通信速度や接続する場所(ルーターや中継機からの距離・位置関係)、利用するデバイスによって切り替えることをおすすめします。
Wi-Fiルーターを交換する
使用しているWi-Fiルーターが高速通信の規格に対応していないと、本来のポテンシャルを発揮できません。古いWi-Fiルーターを使っている場合、レンタル品なら交換を依頼し、購入品なら買い替えを検討しましょう。
また、Wi-Fiルーターと通信環境の相性が良くない場合もあります。この場合、ルーターの初期化やファームウェアの更新で直ることがあるので、ぜひ試してみてください。
Wi-Fiと有線接続の両方が遅い場合
有線接続にしてみたものの通信速度が改善しない場合、どうすればいいのか。ここからはWi-Fiと有線接続の両方が遅い場合の解決方法をご紹介します。
ブラウザやアプリのアップデートと削除を行う
Wi-Fiと有線接続の両方で遅さを感じる場合は、まずブラウザやアプリをアップデートまたは削除しましょう。不要なアプリは削除し、ブラウザのキャッシュを削除することで動作は軽くなります。
時間を変えて接続する
いつも同じ時間帯にインターネットを利用している方は、その時間帯を変更することで解決するかもしれません。インターネット利用者の多い夜間を避けると通信速度が改善する可能性があります。
急に通信速度が遅くなった場合は、回線やプロバイダの一時的な障害が発生した可能性も考えられます。障害が直るまで待ち、時間をおいてから再度インターネットに接続してみましょう。
ONUやLANケーブルを交換する
ONUやLANケーブルは時間の経過により劣化していきます。ONUやLANケーブルの劣化が原因と考えられる場合は交換しましょう。LANケーブルを交換する際は規格に注意してください。光通信を利用する場合、LANケーブルの規格はCAT6以上が最適です。CAT5では最大通信速度に上限があり、光回線のポテンシャルを十分に発揮できません。
回線やプロバイダを乗り換える
これまでの対策を試したものの、効果がなかった場合には、回線やプロバイダの乗り換えを検討しましょう。これには工事が必要であり、費用もかかります。そのため、最終的な手段として検討してみてください。
その際はIPv6対応のプロバイダで光回線への乗り換えを検討しましょう。これまで工事不要のWi-Fiを使っていたならば、劇的な通信速度の向上が見込めます。
次世代の通信規格であるIPv6は、従来型のIPv4のように通信速度制限はなく、高速通信を実現します。通信速度を向上させるには、PPPoE方式からIPoE方式への通信方式(プロトコル)の変更も必要です。
インターネット速度のダウンロードが遅いときのまとめ
インターネットのダウンロード速度が遅いと、利用していてストレスを感じてしまいます。ダウンロードの遅さに不満を感じている方は、今回紹介した内容をもとに通信速度を低下させている原因を探り、改善を図りましょう。
2024年12月02日
セキュリティ
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