IPv4とは?特徴や知っておきたいポイントについてわかりやすく解説!

2022年07月26日 更新日:2024年02月27日

インターネット

目次

IPv4とは、インターネットの黎明期から使われている従来型のインターネット通信規格です。現在の最新規格であるIPv6と比較しながら、IPv4の特徴や知っておきたいポイントについてわかりやすく紹介します。移行期におすすめの「IPv4 over IPv6」についてもあわせて解説します。

IPv4とは、インターネットの黎明期から使われている従来型のインターネット通信規格です。依然としてインターネットの主流な通信規格ですが、登場から時間が経っていることもあり、いくつかの問題を抱えています。

そこで進んでいるのが、最新規格であるIPv6への切り替えです。GoogleやNetfilixなどの大手企業では、IPv4と並行してIPv6でのサービスが提供されています。

ここでは、IPv4とは?という基本を解説したあとに、IPv6とIPv4を比較していきます。また、現状ではベストといえる「IPv4 over IPv6」という接続方式についても解説します。

IPv4とは?わかりやすく解説!

IPv4について説明する前に、まずは頭に付いている「IP」を理解しておきましょう。

IPとは「Internet Protocol(インターネットプロトコル)」を略したもので、インターネットに接続された端末同士が、情報をやり取りするための通信規格を意味しています。

送受信する情報の形式やエラーの対処などが定められているのですが、同じルールで通信が行われることで、世界中と情報のやり取りができているのです。

また、情報のやり取りには、端末に住所のようなものを振り分けておく必要があります。これが「IPアドレス」と呼ばれるものです。PCやスマホ、タブレットなど、それぞれの端末にIPアドレスが与えられることで、メールの送受信やWebページの閲覧が可能になります。

IPv4とはIPの第4版

「IPv4」とは「Internet Protocol Version 4」の略称で「Version 4」は第4版を表しています。1990年代後半のインターネット普及期に考案されたもので、現在も広く使われているインターネットの通信規格です。

ちなみに「Version 0」が登場したのは1970年代で、インターネットの前身であるコンピュータネットワーク「ARPANET(アーパネット)」用に開発されました。Version 3までは試験的な仕様となっており、本格的に実用化されたIPがVersion 4になります。

IPは現在Version 9まで開発が進んでいますが、Version 4の後継は「IPv6」となっています。

IPv4の特徴

現在、広く用いられているIPv4は優れた通信規格です。しかし、インターネットの世界は進化のスピードが早く、登場から数十年が経過したIPv4は、時代に合わない部分も出てきています。

発行可能なIPアドレス数は43億

IPv4におけるIPアドレスは「xxx.xxx.xxx.xxx」のように、ピリオドで区切られた4つの数字で表されます。使うことができるのは「0.0.0.0」から「255.255.255.255」までで、約43億個のIPアドレスが発行できるようになっています。

43億個というIPアドレスは、初期のインターネットでは十分な数でした。しかし、インターネットが普及するにつれて、使えるIPアドレスの数はどんどん減り始め、2010年代後半には枯渇する事態になっています。

アドレス不足を解消するために、「DHCP」と呼ばれる、使用していないIPアドレスを自動で割り当てる仕組みも用いられていますが、IPの仕組み自体を抜本的に変える必要に迫られているのです。

PPPoE方式に対応している

「PPPoE(ピーピーピーオーイー)」とは、IPv4で使われているインターネット上の通信規格です。歴史はIPv4よりもさらに古く、インターネット黎明期から使われ続けています。

PPPoEには複数のルールがあります。インターネットに接続するには必ず「ネットワーク終端装置」を経由しなければならず、接続するたびにIDやパスワードを入力する必要があるなど、通信速度が遅くなる原因にもなっています。

ちなみに、Version 4の後継である「IPv6」に対応している次世代の通信規格は「IPoE」と呼ばれています。

PPPoEとは?特徴や接続についてわかりやすく紹介!

IPv4について知っておきたいポイント

時代遅れになりつつあるIPv4には、どのような問題点があるのでしょうか。また、IPv6と比較しながら、IPv4について知っておきたいポイントをみていきましょう。

IPv4形式のIPアドレスは枯渇している

IPアドレスを管理する団体が、「IPv4で発行できる分は枯渇した」と発表したのは2019年のことでした。

それでもインターネットが使えているのは、IPアドレスの一部が再利用される仕組み(DHCP)になっているからです。たとえば、家庭用ルーターは、インターネット接続から外れると、新たに接続されたルーターなどに割り振られます。

ところが、すべてのIPアドレスが動的に再利用される仕組みになっているわけではありません。いったん割り振られたら再度変更しない限り、同じものを使い続けるケースもあるのです。また、家庭用ルーターなどが世界中で増え続ければ、再利用されるIPアドレスもいずれはなくなってしまうでしょう。

そこで次世代の通信規格である「IPv6」の普及が急がれているのです。

IPv6とは?初心者向けにわかりやすく解説

IPv4とIPv6の違いとは?

IPv4とIPv6の違いは主に以下の表の通りです。ここでは速度にフォーカスした4~6を中心にそれぞれ違いについて紹介します。

1. IPアドレスの数2. 表記方法の違い3. 接続方式の違い4. 回線速度の違い5. パケット転送時の違い6. セキュリティの強度の違い

IPv4・PPPoEと比べると、IPv6・IPoEの方が速度が出ます。理由はIPアドレスの表記やインターネットへの接続がシンプルだからです。データ転送時のパケットの構造がシンプルなことも、IPv6・IPoEの方が速度が出る理由となっています。

さらに、IPv6には暗号化技術「IPsec」が標準で搭載されています。IPv4よりもセキュリティ強度が高いのもIPv6の特徴のひとつです。

もう悩まない!IPv4とIPv6の違いをわかりやすく解説!

IPv4でもIPoEと同じ形式でネット接続できる

最新型のIPv6・IPoEは、通信速度や安全性という点で従来型のIPv4・PPPoEよりも優れています。しかし、現在インターネットで主流の接続方法は従来型のIPv4・PPPoEであり、IPv4とIPv6には互換性がないため、IPv6ではIPv4のWebサイトに接続できないという問題が起きてしまいます。

そこで役に立つのが、「IPv4 over IPv6」という接続方式です。IPoE方式でIPv4接続を行うもので、回線の混雑時でもインターネットが遅くならないメリットがあります。

IPv4 over IPv6を利用するには、IPv4接続からの切り替えが必要です。プロバイダがIPv4 over IPv6に対応していることと、ルーターなどの環境をIPv4 over IPv6対応のものに変更する必要がありますが、よりインターネットが快適になることでしょう。

現在の接続方法がどちらなのかわからないという方は、以下のリンクを参照してください。

IPv6の接続状況はどうやって確認する?便利なサイトから原因・対処法まで!

IPv4 over IPv6の確認方法とは?一瞬で診断するサイトを紹介!

IPv4の正しい知識を身につけネット環境を整えよう

最新規格のIPv6は普及が進んでいるものの、現状、主流なのはIPv4接続です。IPv6に切り替えてしまうと、IPv4との互換性がないことから、従来のサービスが利用できなくなるという問題が起きます。

そこで検討したいのが「IPv4 over IPv6」への切り替えです。IPoE方式でIPv6とIPv4両方の接続ができることで、いくつものメリットが得られることでしょう。両方のいいところ取りともいえるIPv4 over IPv6は、現状ベストといえる接続方法なのです。