光回線工事をマンションで行う際の内容や依頼時のポイントを解説
2022年09月28日 更新日:2024年02月27日
アパート・マンションなどの集合住宅における光回線工事の方法は、光ケーブルの設置状況で大きく3つに分かれます。費用や立会いの有無も異なるので基本を押さえておきましょう。自室まで回線の引き込みが必要なケースと、共有スペースまで引き込むケース、一戸建てと同様の工事を行うケースで異なります。
この記事では、光回線工事をマンションで行う際の内容や依頼時のポイントを解説します。集合住宅でスムーズに光回線を利用できるようにするため、基本をしっかり押さえておきましょう。
マンションや集合住宅での光回線の工事内容
マンションやアパートなど集合住宅における光回線の引き込み工事は、「光回線が導入されている」「光回線なし」「光回線以外の回線が導入されている」の3つの状況によって内容が異なります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
光回線が導入されている場合
光回線が導入されている場合は、さらに2つのケースに分けられます。回線が「集合住宅の共用部分まで引き込まれている場合」と「各部屋まで引き込まれている場合」です。
共用部分まで引き込まれている場合は、各部屋まで回線を引き込む工事が必要になります。居住者の立ち合いのもと、担当者による現地工事が行われ、1万5,000~3万円の費用がかかります。
各部屋まで回線が引き込まれている場合は、回線が開通しているかどうかのチェックのみが行われ、現地での工事は必要ありません。費用も2,200円程度で済みます。
賃貸物件情報サイトには、「共用部分まで引き込まれている場合」は「インターネット対応」、「各部屋まで引き込まれている場合」は「インターネット完備」と書かれていることが多いです。
ただし、「インターネット」の表記だけでは、引き込まれている回線の種類まで判断できないため、光回線かどうかの確認を行いましょう。
光回線なしの場合
光回線がない物件への引き込み工事は、「共用部分まで光回線を引き込む」「部屋まで個別に回線を引き込む」の2種類に分けられます。
共用部分まで光回線を引き込む工事は、電柱まで来ている光ケーブルを共有スペースまで配線してから自室まで回線を引き込みます。一方、部屋まで個別に回線を引き込む工事は、共有スペースを経由せず、自室だけに回線を引き込みます。
いずれの工事も一戸建てに回線を引き込むケースと同様に大がかりなものになるので、2~4万円の費用がかかり、居住者の立会いが必要です。
集合住宅では、賃貸・分譲いずれの場合も許可が必要になるので注意しましょう。賃貸なら大家さんや不動産会社、分譲なら管理会社や管理組合に話を通して、まずは共用部分まで光回線を引き込む工事ができないかどうかを相談するのがおすすめです。
許可が出ないなら、部屋まで個別に回線を引き込む工事が可能かどうかを確認してみてください。それでも許可が下りなければ、残念ながら光回線の導入はあきらめるしかありません。
光回線以外の回線が導入されている場合
光回線ではなく、ケーブルテレビなど他の回線が導入されている場合は、あらためて引き込み直す必要があります。「光回線なし」の場合と同様に、共用部分まで光回線を引き込むか、部屋まで個別に回線を引き込む工事が必要になります。
どちらの場合も2~4万円の費用がかかり、居住者の立会いに加えて、大家さんや管理会社の許可が必要です。
物件探しの段階では、「インターネット対応」「インターネット完備」と書かれているケースに注意しましょう。光回線が使えると思っていて入居したら、他の回線が導入されていることもあります。
実際に光回線の工事が行われているかどうかを確認するには、こちらの記事を参照してください。
マンションでも戸建プランで光回線工事ができるケースがある
賃貸・分譲に関わらず、集合住宅でも個別に光回線を引き込むことは可能です。工事内容は一戸建てのプランと同じようなものになり、かかる費用は2~4万円で、居住者の立会いが必要になります。
一戸建てプランが必要になるのは、共有スペースまでの光回線引き込みを大家さんや管理会社に断られてしまったケースだけではありません。集合住宅特有の光回線の遅さを感じた場合にも、一戸建てプランでの光回線の導入が選択肢に入ります。
集合住宅での光回線の利用は、共有スペースまで引き込まれた回線を入居者全員が分け合って使う方法です。ひとつの回線を大勢で使うので、夜間や週末など利用者が集中する時間帯は回線が混み合い、速度が思うように出なくなってしまいます。
一戸建てプランの導入には、大家さんや管理会社の許可が必要になるだけでなく、対応している光回線の確認が必要です。サービス対応エリア内であるか、住んでいる階での工事が可能かどうかを確かめましょう。
マンションで光回線工事を依頼する際のポイント
集合住宅での光回線工事には、回線が導入されている状況に応じて3つのパターンがありますが、すべてに共通するポイントがあります。アパートやマンションに住んでいる場合は、本章でご紹介するポイントを確認しましょう。
管理人や管理会社に工事の相談をして許可を取る
集合住宅に住んでいる場合は、光回線工事の前に必ず許可を取りましょう。相談先は、賃貸なら大家さん、分譲なら管理会社が一般的です。
集合住宅に光回線を引き込む場合、壁に穴を空けるといった建物や設備に手を加える作業が発生する可能性があります。このような場合には、事前に工事業者から居住者に連絡が入るはずですが、大家さんや管理会社に黙っていたためにトラブルに発展したというケースは多いものです。
特に注意したいのが、一戸建て同様のプランを利用して個別で光回線を引き込むケースです。建物の外壁に光ケーブルを取り付ける必要があるため、許可なしでの工事は、高い確率でトラブルになります。申し込みをする前に必ず相談しましょう。
賃貸の場合は退去時に光回線を撤去する
賃貸の集合住宅への入居時に光回線を引き込んでしまうと、原状回復の一環として退去時に回線の撤去を求められるかもしれません。原状回復とは、借りていた物件を入居する前の状態に戻すことです。通信事業者によっては、引き込みだけでなく撤去時にも費用を請求されることがあるので、契約前に確認しておきましょう。
一方で、光回線が引き込まれた物件は、次の入居者にとってメリットになります。このことをあらかじめ伝えておくと、大家さんや管理会社によっては、退去時に光回線の撤去を求めないかもしれません。
賃貸住宅で光回線の引き込み工事を行うなら、大家さんに事前に許可をもらうだけでなく、退去時の扱いについても話し合っておきましょう。
光回線の宅内工事には立会いが必要
光回線の工事には、担当者が現場で作業を行う必要があるものと、ないものの2種類があります。前者の場合、室内での工事が含まれるため、居住者の立会いが必要です。
立会いが求められるのは後々のトラブルを防ぐためです。そのため、工事に立ち会うのは、居住者本人でなくても構いません。工事日にどうしても都合がつかなければ、誰かにお願いしてみましょう。
一方で、居住者が立会う必要がないのは、すでに回線が各部屋まで引き込まれているケースです。回線が開通しているかどうか遠隔でチェックするだけで済み、担当者が現場までやってくる必要がないからです。
(まとめ)マンションの光回線工事は導入状況やプランによって内容が変わる
アパートやマンションなどの集合住宅で光回線を導入する工事は、状況に応じて3つのパターンに分かれます。自室まで回線を引き込むもの、共有スペースまで引き込むもの、一戸建てと同様の工事を行うもので、工事内容やかかる費用、立会いの有無も変わってきます。
工事内容が違っても、大家さんや管理会社への相談は必要です。賃貸ならもちろんのこと、分譲でも共有スペースに影響することがあるので、必ず許可を取りましょう。
2024年11月11日
ヘルスケア