ケーブルテレビとは?仕組みや特徴、メリットを分かりやすくご紹介!
2024年09月11日 更新日:2024年09月11日
「ケーブルテレビ」という名前を聞いたことはあっても、具体的にどのようなサービスなのか分からない人は多いのではないでしょうか。本記事では「ケーブルテレビって何?」「どんな特徴があるの?」と疑問に思う方に向けて、ケーブルテレビとは何か、特徴や仕組み、アンテナ受信 との違いまで分かりやすく解説します。
ケーブルテレビを導入するメリット・デメリットなども解説するので、ぜひ参考にしてください。
ケーブルテレビとは?分かりやすく解説
ケーブルテレビは、何が良くて、アンテナ受信とどのような違いがあるのでしょうか。仕組みや特徴を理解することで、家庭の視聴環境に適しているのか判断できます。まずは、ケーブルテレビとはどんなものなのか、分かりやすく解説します。
ケーブルテレビとは?目的や歴史も紹介
ケーブルテレビ(CATV:Cable Television)は、有線テレビジョン放送のことを指します。1955年、群馬県・伊香保で地上波テレビ放送の難視聴解消を目的とした共同受信実験を行ったのが、ケーブルテレビの始まりです。
引込端子が1万以上で自主放送を行うケーブルテレビは、東京都青梅市にある「多摩ケーブルネットワーク株式会社」が1987年に第1局として開局しました。その後、首都圏を中心にケーブルテレビのブームが起こり、今は多くの地域で展開されています。
ケーブルテレビは放送サービスや通信サービスなど、多様なサービスを提供しており、放送サービスには以下の種類があります。
● 地域ニュースや地域情報などを放送するコミュニティ放送
● 地上デジタル放送の再放送
● BSデジタル放送の再放送
● 専門性の高いCSデジタル放送
● 4K8K衛星放送の再放送(2018年12月より開始)
また、通信サービスにはインターネット接続サービスや電話サービスなどがあります。通信サービスは地域によっては地域公共機関の地域情報インフラとしても活用されています。
※参考:一般社団法人 日本ケーブルテレビ連盟.「ケーブルテレビとは」
※参考:総務省.「ケーブルテレビの概要」
ケーブルテレビの仕組みと特徴
テレビ放送を視聴する方法には、アンテナからの受信・ケーブルテレビからの受信・一部のプロバイダーからの受信・インターネット動画配信サービス利用の4つがあります。
ケーブルテレビは各家庭のアンテナで電波を受信するのではなく、ケーブルテレビ局で受信した電波を、ケーブル回線を通じて各家庭に情報を届けるシステムです。
ケーブルテレビで使用するケーブル回線には、光ファイバーケーブルまたは同軸ケーブルがあります。住宅とケーブルテレビ網を有線接続することで各家庭に情報を届けます。
近年、インターネットや通信サービスの分野では、大容量データのやり取りが主流となっています。それに伴い、日本国内では多くのケーブルテレビ局が従来の同軸ケーブルから光ファイバーへの移行を進めている状況です。
TOKAIケーブルネットワークも、自社の光ファイバーケーブル網を活用し、テレビ、インターネット、電話といった各種サービスを提供しています。この取り組みにより、より安定した高速通信環境が実現され、お客様に一層便利なサービスを提供することが可能となりました。さらに、これら3つのサービスをお得にご利用いただけるセット割引も導入し、日々の生活をより快適にするお手伝いをしております。
光ファイバーケーブルと同軸ケーブルの違い
光ファイバーケーブルと同軸ケーブルは、回線の種類が異なります。
光ファイバーケーブルは光信号を利用した光回線で、主にインターネット利用に使用されます。光ファイバーケーブルは耐久性に優れ、高速かつ安定した通信環境を提供します。ノイズの影響を受けにくく、伝送距離が長くても信号減衰が少ない特徴があります。
一方、同軸ケーブルは電気信号を利用し、元々は映像情報の伝送に使用されるケーブルです。主にテレビ視聴に使用されますが、一部ではインターネット回線も利用可能です。同軸ケーブルは光ファイバーケーブルと比較するとノイズを受けやすく、伝送距離が長いと電波減衰が起こりやすい傾向がありますが、中継地点に増幅器を設置することで電波を増強することができます。
ケーブルテレビには2つの送信方法がある
ケーブルテレビ局が受信した電波を、ケーブル回線を通じて利用者へ送信(利用者側は受信)します。その送信方法には「パススルー方式」「トランスモジュレーション方式」の2つあり、ケーブルテレビ局によって放送の※変調方式 に違いがあります。
パススルー方式では、市販のチューナーで放送の受信が可能です。ただしチューナーレステレビの場合は外部チューナーまたはセットトップボックスが必要です。
トランスモジュレーション方式は、ケーブルテレビ局が電波の変調方式を変えて再送信する方式です。受信するにはケーブルテレビ専用のセットトップボックスが必要となります。
※変調方式とは、音声・データなどの信号を、搬送波(信号を乗せるための基本的な伝送波)に乗せるための変換操作のことです。
アンテナ受信とケーブルテレビの違いは何?
テレビにも色々な放送方法があり、一般的な地上波は電波によって放送されていますがケーブルテレビは有線放送、つまり、ケーブルを引いてそのケーブルの中を情報が伝わって家庭でテレビ番組を見ることができるという仕組みでできています。
ケーブルテレビは、山間部や特別地域など、電波が非常に届きにくい場所でも外的影響を受け難いケーブルによってテレビを視聴できるようにするために作られました。アンテナで受信するテレビでは台風や風の強い日にうまく情報を受信できないことがありますが、ケーブルテレビならケーブルが切断されない限り情報を受信できます。
ケーブルテレビでは専用のデジタルチューナー(セットトップボックス)を設置することで、地上デジタル放送に加えBS放送やCS放送の視聴が可能になります。(ケーブルテレビ局によっては、地上波・BS・CSすべてパススルーに対応(セットトップボックス設置不要)している場合もあります。)その際、パラボラアンテナの設置等は必要ありません。
他にも、地域情報のインフラとしてケーブルテレビを活用している地域もあります。地域性があることも、アンテナで受信するテレビとの大きな違いといえるでしょう。
ケーブルテレビを見るには何が必要?
ケーブルテレビを利用するには、居住地域がケーブルテレビサービスの対応エリア内か確認してから、ケーブルテレビ会社と契約をします。契約後は光ファイバーなどの引込工事、宅内配線工事、配線作業が必要です。
ケーブルテレビでは、放送局から各戸付近の変換器までは光ファイバーケーブル、変換器から宅内までは同軸ケーブルで接続するHFC形式が一般的でした。
昨今はデジタル放送への対応や、ケーブルテレビネットワークの高度化、光回線技術の進展などの影響で、光ファイバーケーブルのみで引き込むFTTH方式が主流になっています。
戸建(新築)の場合
新築の戸建住宅の場合、設計段階から検討・相談することで目的に応じた配管工事が可能です。外観を損ねることなく導入ができ、建築会社と直接打ち合わせをしてくれるケースもあります。新設電柱へケーブル線を共架させる承諾が必要になることもあるため、その意味でも早めに相談することでスムーズに進められます。
マンション(集合住宅)・賃貸(借家)の場合
テレビの受信がケーブルテレビかどうかを確認する場合、入居前に管理会社またはオーナーに確認する必要があります。確認後に必要があればケーブルテレビ局に相談しましょう。チューナーまで既に設置されている物件ならすぐに視聴ができますが、無い場合はチューナー導入後に利用が可能です。
ケーブルテレビ未対応の物件の場合は、新規引込工事や宅内導線工事が必要になるため、管理会社やオーナーに工事の許可を取らなければいけません。その際は利用料金だけでなく、新設工事の費用がかかるため注意しましょう。
ケーブルテレビのメリット・デメリット
ここからは、ケーブルテレビのメリット・デメリットを紹介します。メリットを理解することで、ケーブルテレビの利用を具体的に検討しやすくなるでしょう。また契約後に後悔しないために、デメリットについても把握しておきましょう。
ケーブルテレビを選ぶメリット
ケーブルテレビのメリットは、アンテナ無しで専門チャンネルを含むさまざまなテレビ番組が楽しめる点です。アンテナが必要ないので、家の外観を損ねることがありません。またアンテナでの視聴が難しい地域でも、ケーブルテレビならテレビの視聴ができるようになります。
ケーブルテレビの送信方法によってはセットトップボックスが必要ですが、昨今ではセットトップボックスのレンタルが主流になっています。またケーブルテレビのサービスの一つとして利用できるインターネット回線は、他社光回線未対応エリアでも利用ができます。
他社回線の場合、山間部や高所に住んでいる場合は光回線の設備が使えないことがありますが、ケーブルテレビであればインターネットが使える可能性があります。TOKAIケーブルネットワークでは、ケーブルテレビ、インターネット回線(独自回線)もご提供しております。インターネットと同時に契約するとセット割引が適用されることもあるので、費用を抑えたい人は調べてみましょう。
さらには、アンテナ不要のため、雨や雪、台風、地震などの災害に強いことも大きなメリットです。アンテナでテレビを視聴する場合、激しい雨や風の影響を受けやすく、テレビが映らなくなるケースが珍しくありません。台風以外にも、積雪や地震によってアンテナにダメージがあると、テレビ視聴にトラブルが生じることがあります。特に東北や日本海側には豪雪地帯が多いので、積雪による影響を受けやすいエリアといえるでしょう。
日本は地震大国といわれており、世界で起こっているマグニチュード6以上の地震のうち、およそ2割が日本周辺で発生しているほどです。災害が起こるとライフライン復旧までに時間を要しますが、ケーブルテレビは影響を受けにくいため、多くの場面で活躍しました。
阪神・淡路大震災では、ケーブルテレビ施設も大きな被害を受けましたが、被災住民に対し災害情報等の独自の番組を提供し、地域密着型のメディアとして注目されました。
東日本大震災でも、地域密着の特性を生かし、地域の対策本部情報等や震災関連の情報を自主放送番組で提供するケーブルテレビ事業者がいました。他にも、避難所等へケーブルテレビの無償設置、被災地域の加入者へ特別料金の設定などを行った事業者もいました。
能登半島地震では、市町村レベルの地域情報の発信を中心にケーブルテレビの特色を生かした災害放送を実施しました。
また、2019年に起こった東日本台風(台風19号)で栃木県は大きな被害を受けましたが、栃木県のケーブルテレビは2015年の関東・東北豪雨の経験を生かし、データ放送に力を入れていました。その結果、台風19号が発生してからの2日間、本線映像とL字、データ放送で気象情報や避難情報、河川氾濫などの情報を届け続けることができました。
このように災害が多い日本では、ケーブルテレビが災害対策の一翼を担っています。今後30年以内で南海トラフ地震が発生するともいわれているため、災害対策としての取り組みを進めているケーブルテレビを普段から利用しておけば、万が一被災した際に必要な情報が受け取りやすくなるでしょう。
※参考:東京都耐震ポータルサイト.「1. 大地震はいつ来る?」
※参考:総務省.「平成8年版通信白書/災害に対応したケーブルテレビの在り方に関する検討」
※参考:総務省.「令和6年能登半島地震における放送分野の状況」
※参考:総務省.「平成23年版通信白書/東日本大震災における情報通信の状況」
※参考:メディアキャスト.「関東への大型台風の連続襲来で示された 防災メディアとしての「データ放送の意義」」
ケーブルテレビを選ぶデメリット
ケーブルテレビの主なデメリットは、以下の4点です。
● 利用中は月額利用料が必要
● 初期費用・機器購入などに費用がかかる
● 開通までに時間がかかってしまう場合がある
● 居住エリアによっては、選べるケーブルテレビが限定される
ケーブルテレビは月額利用料が発生します。月額利用料は居住エリアやプランによって異なりますので、詳細の内容はケーブルテレビ局にお問い合わせするかホームページをご確認ください。NHK放送受信料衛星契約(地上+衛星)が別途かかります。
また工事費や手数料などの初期費用、機器購入にも費用がかかります。しかし先述のとおり、昨今では機器は購入ではなくレンタルが主流です。
さらには、開通まで2週間~1カ月ほどかかる場合があり、すぐに利用できない可能性があることもデメリットといえます。居住エリアによっては未対応のケーブルテレビもあるため、希望しているケーブルテレビが住んでいるエリアに対応しているのかを確認してから、申し込みましょう。
まとめ
ケーブルテレビは有線テレビジョン放送を指し、山間部や高所など電波が届きにくい場所でもテレビ視聴が可能です。災害に強いというメリットがあり、地震や台風の影響を受けても、多くの被災地で災害情報を提供してきました。
月額利用料や初期費用がかかりますが、ケーブルテレビに対応している集合住宅にお住まいの場合は、初期費用が抑えられます。
TOKAIケーブルネットワークは、地域密着のケーブルテレビとして、安心して利用できる環境を整備しています。ぜひ利用を検討してください。
2024年09月12日
ヘルスケア