インターネットのセキュリティ対策の必要性は? 個人で対策を強化する方法を解説
2024年12月02日 更新日:2024年12月02日
インターネットの普及に伴い、フィッシング詐欺被害や個人情報の漏えい・盗難の被害も年々増加しています。
昨今は、個人もインターネット犯罪に接触するリスクが高まっているため、各々のセキュリティ意識を高め、適切な対策を行うことが必要です。
本記事では、高度なインターネットセキュリティ対策の必要性や、近年の事情を解説します。基本的な知識からおすすめのセキュリティ対策まで紹介するので、セキュリティ対策に関心のある方はぜひ参考にしてください。
インターネットのセキュリティ対策とは?
インターネットのセキュリティ対策とは、悪意のある第三者による不正アクセスやウイルス感染、迷惑メールなどの脅威から、情報資産やシステム、金銭などを保護するために必要な取り組みを指します。
ここからは、インターネットのセキュリティ対策が必要な理由や基礎知識を解説します。
インターネットのセキュリティ対策はなぜ必要?
インターネットは、IT化やDX化の推進によって複雑かつ幅広く普及したことで、より高度なセキュリティ対策が求められるようになりました。
インターネットの利用は便利である一方、世界中からサイバー犯罪に悪用されるケースも多く、さまざまなトラブルや被害に遭うリスクを伴います。
従来は、メールやWebサイトを悪用し、企業を狙ったサイバー攻撃が一般的でした。しかし、スマートフォンの利用が世間に広がるとともに、インターネットの使い方が多岐に渡るようになったことで個人もサイバー攻撃のターゲットになり、被害を受ける事例が増えています。
企業が行えば十分だったセキュリティ対策の強化が、個人レベルでも必要となり、対策をより強固にしなければならなくなっています。
インターネット犯罪から身を守るための対策の必要性
インターネット犯罪は年々巧妙化しており、悪質になっています。本人も気が付かないうちに、被害者や加害者になる場合が多いのがインターネット犯罪の特徴です。SNSやメッセージアプリ、ECサイト、Webサイトなどが悪用されて個人情報を盗まれたり、金銭を要求されたりすることもあります。
インターネット犯罪から身を守るためには、強固なセキュリティ対策は必須です。個人情報の管理や不審なWebサイトやメールのURLはクリックしないこと、ウイルス対策ソフトの使用や、無線LANの利用に注意するなどの基礎的な対策は欠かせません。しかし、それだけでは足りない場合もあります。サイバー犯罪の最新情報を把握するなど、インターネットセキュリティに関する意識向上が大切です。
インターネットの個人情報盗難など犯罪手口や被害
サイバー犯罪の増加や手口の巧妙化により、インターネット上の個人情報はさまざまな手口で盗まれる危険性があります。ここでは、インターネット犯罪の代表的な手口や被害例を紹介するので、対策を講じる際の参考にしてください。
サイバー犯罪の種類
サイバー犯罪とは、ネットワークに接続されたパソコン・スマートフォンなどの情報端末やサーバーを標的とした犯罪行為の総称です。
サイバー攻撃の目的は、金銭の要求であることが多いですが、他にも個人情報の窃取やデータの破壊・改ざんなども挙げられます。政治的・個人的なトラブルが動機となり、悪意を向けられるケースもあります。
サイバー攻撃の主な種類には、メール詐欺やインターネット詐欺、サイバー恐喝などがあり、バリエーションも増加傾向にあります。サイバー恐喝は「情報端末内の情報資産やデータなどを攻撃する」と脅迫して、身代金として暗号通貨などを要求する犯罪です。
個人が標的となりやすいサイバー犯罪のリスクには、不正アクセスによるデータ改ざんやアカウントの乗っ取りなどが挙げられます。
個人が被害に遭いやすく、リスクが高い事例を以下で紹介します。被害に遭わないためにも、どのような手口・内容が増えているのかを理解しておきましょう。
フィッシング詐欺
個人が被害に遭いやすいサイバー攻撃には、フィッシング詐欺があります。
大手ECサイトや銀行、知人になりすまして、偽メールやSMS、SNSのメッセージなどを送り付け、本文に記載されている偽サイトのURLにアクセスさせることで、カード情報や個人情報を盗み取るという手法です。
フィッシング詐欺でクレジットカード情報を盗まれると、不正利用や不正送金が行われるのが一般的です。加えて代引きで荷物を勝手に送りつけられるなどの被害も発生しています。
2024年10月にフィッシング対策協議会へ寄せられたフィッシング報告件数(海外含む)は181,443件で、前年と比べて24,639件増加しています(※1)。
また2024年7月に日本クレジット協会から報告された、2023年の国内発行クレジットカードにおける不正利用の被害総額は、年間541億円にも及びます。被害総額が最低だった2012年から、年々増加している状態です(※2)。
※1出典:フィッシング対策協議会.「2024/10 フィッシング報告状況」
※2出典:一般社団法人 日本クレジット協会.「第440回 消費者委員会本会議 資料2-2」
不正アクセスやマルウェア攻撃
個人をターゲットとしたサイバー攻撃には、不正アクセスやマルウェア攻撃などもあります。どちらもセキュリティの脆弱性が狙われ、被害が拡大しています。
不正アクセスは、悪意のある第三者が情報端末やアカウント、サーバー内に侵入することにより発生します。目的はデータの改ざんや乗っ取り、情報の窃取などで、オンラインバンキング・ECサイトで不正な取引をされるなどの被害を受ける可能性があります。侵入の手口はさまざまで、複雑で高度なパスワードの設定や多要素認証など、多方面からの対策が求められます。
マルウェア攻撃は、メールやWebサイトを通して、悪意のあるマルウェアに感染させ、端末の悪用や情報窃取を行う手法です。マルウェアとはコンピュータウイルスを含む、電子機器に脅威となるソフトウェアの総称です。
マルウェアに感染すると、データが壊されたり、普段使っているサービスが急に使えなくなったりすることもあります。
個人情報漏えいによる被害例
フィッシング詐欺や不正アクセス、マルウェア攻撃などで個人情報が外部に流出してしまうと、流出した情報が悪意のある第三者に悪用され、さまざまな被害を受ける可能性が生じます。ここでは、個人情報の漏えいが起きると、実際にどのような被害に遭うのか紹介します。
個人情報の不正利用
個人情報の不正利用とは、想定していない利用方法で個人情報が悪用されてしまうことです。具体的な個人情報は、氏名・住所・銀行口座・クレジットカード情報などが挙げられます。
WebサイトやSNSへのログインに必要なユーザー情報が流出すると、アカウントに不正アクセスされ、本人になりすましてサービスを悪用されてしまう可能性もあります。
またアカウントに登録していた銀行の口座情報やクレジットカード情報などをそのまま利用されると、オンラインバンキングやECサイトで高額な商品を購入されてしまうかもしれません。
他にも、犯罪履歴のような不都合な内容の隠匿に利用されたり、重婚や借金から逃れるために使用されたりするリスクもあります。
乗っ取り・なりすまし
個人情報が漏えいすることにより、WebサービスやSNSアカウントへのログインに必要な情報が利用され、アカウントの乗っ取りが発生する可能性があります。
誤った情報の発信や、友人・知人へ、詐欺やマルウェアが仕込まれたメッセージの送信などが起きてしまうリスクが生じます。
ECサイトやフリマサイトで自作の商品を販売している場合は、識別できないほどそっくりな模倣サイトを作られることで、他のユーザーから商品代金をだまし取ったり、質の悪い模倣品を販売されたりしてしまうケースもあります。
また、本人になりすまして犯罪行為や迷惑行為をされてしまうリスクもあるため注意しましょう。迷惑メールの発信元として、犯人の代わりに犯人と仕立て上げられてしまいます。
盗んだ個人情報を使用して、不正な手段で医療・財務データへのアクセスが行われてしまうリスクもあります。
個人情報のさらなる悪用
流出した個人情報は、新たなサイバー攻撃への踏み台として悪用されてしまう恐れもあります。思わぬところで加害者として捏造されてしまうこともあり得ます。
また、電話番号や住所、家族構成、保有資産などの個人情報が流出してしまうと、オレオレ詐欺や架空料金請求をはじめとする特殊詐欺や悪徳商法、ストーカー、脅迫などのターゲットにされる可能性があります。
他にも、ダークウェブ上で流出した個人情報が取引される場合も考えられるでしょう。ダークウェブとは匿名性が高く、特殊なブラウザとルートでしか利用ができない闇のECサイトのことです。
総務省が推奨するセキュリティ初心者に必須の対策
インターネットのセキュリティ初心者が、インターネットや情報機器を安全に利用するために欠かせない対策を紹介します。
総務省が推奨する「サイバーセキュリティ初心者のための三原則」(※)に基づいて解説するので、セキュリティ対策を検討している方は参考にしてみてください。
※出典:国民のためのサイバーセキュリティサイト「サイバーセキュリティ初心者のための三原則」
(1)ソフトウェアを最新に保つ
インターネットや情報機器を安全に利用するには、ソフトウェアの状態を最新に保つことが欠かせません。アプリケーションやOSのアップデートは、セキュリティの観点からも重要です。
アプリケーションやOSのバージョンを更新せず、古いまま使用していると、セキュリティの脆弱性を突かれてサイバー攻撃の標的とされる可能性が高まります。
旧バージョンで見つかった欠陥や脆弱性が最新版では改善されているため、アップデートすればセキュリティの強化が期待できます。
OSやアプリケーションのアップデート情報は定期的に確認し、自動更新できていない場合はすぐに対応して、セキュリティリスクの軽減を目指すことが大切です。
(2)強固なパスワードの設定と多要素認証を活用する
強固で複雑なパスワードを設定したり、多要素認証を活用したりすることも、インターネットを安全に利用する上で必要です。
推測されやすく弱いパスワードを使用していると、不正アクセスにつながりやすくなります。
強固なパスワードを作る場合は推測されにくく、機械でも割り出しにくいポイントを意識し、12桁以上にするのがおすすめです。
また、同じパスワードを複数のサービスで使い回さないことも大切です。
パスワード以外のさまざまな要素を使用した、多要素認証を活用するのも、不正アクセス防止に役立ちます。多要素認証にはいくつかの方法があります。例えばSMSや専用アプリケーションなどに送られてきたコードを入力してログインするのも、多要素認証の一つの手段です。
(3)不用意に開かず、インストールしない
メールやSMSに記載されているURLや添付ファイルは不用意に開かないことも、インターネットを安全に利用する上で欠かせないセキュリティ対策です。
よく見ずに開いてしまったため、フィッシング詐欺やマルウェア感染といった被害に遭ってしまうことがあります。
悪意のあるメールやメッセージは、巧妙に作り込まれていることが多く、偽メール・メッセージだとなかなか気が付かない場合もあります。発信元がなりすましをしていないか、不審な点がないかよく確認した上で開封しましょう。
また、検索で見つけたユーティリティソフトやゲーム、アプリケーションなどをインストールする際にも注意が必要です。公式以外の提供元がはっきりと分からないものは、安全性をきちんと確認してからインストールするようにしましょう。
警視庁が推奨するセキュリティ初心者に必須の対策
セキュリティ初心者が行うべき対策は、他にも多くあります。
警視庁が推奨する「個人向けセキュリティ対策」(※)の中から、セキュリティ初心者が参考になる対策を厳選して紹介します。
(※)出典:警視庁・安全な暮らし.「個人向けセキュリティ対策」
ウイルス検知ソフトを導入
ウイルス感染や不正アクセスを防ぐためには、ウイルス検知ソフトの導入が有効です。このとき、無料版のソフトは避けましょう。有料版と比べてウイルスの検出率が低く、機能も少ないからです。
ただし、ソフトを導入しただけでは対策は完全ではありません。常に最新のバージョンにアップデートする必要があります。新しいウイルスが日々作成されており、旧バージョンでは未知のウイルスを検知できない場合があります。
家族が所有している全てのパソコンやタブレット、スマートフォンにウイルス検知ソフトを導入し、対策を行いましょう。
また、各媒体につき導入する検知ソフトは一つにします。複数のソフトを入れてしまうと、互いに干渉し合い、不具合を引き起こす可能性があります。
ブラウザの設定を見直す
ブラウザの設定を見直すことも、安全なインターネットの活用には欠かせません。
適切な設定をしていないと、ブラウザへ過剰な負荷をかけて応答不能にする「ブラウザクラッシャー」と呼ばれるプログラムの被害に遭う恐れがあります。具体的には、Webサイトに掲載されているURLをクリックした際に、いくつものウィンドウが勝手に開き、システムを圧倒し、パソコンを強制的に終了させるトラブルを指します。
ブラウザクラッシャーのような被害を防ぐためには、JavaスクリプトやActiveXコントロールの設定を「無効」にしておくことがおすすめです。
ファイアウォールの設定
安全な利用のためには、ファイアウォールの設定も適切に行う必要があります。ファイアウォールは「防火壁」を意味し、あらかじめ設定していたルール以外のデータの流出や流入を防ぐ役割を果たします。
悪意のある第三者による不正アクセスや情報漏えいを防ぐためにも、ファイアウォールの設定は欠かせません。
ウイルス検知ソフトに付いているファイアウォール機能を適切に設定し、パソコンやスマートフォンを外部攻撃から守りましょう。
セキュリティを強化!安全なネット利用のために
インターネットのセキュリティをさらに強固にしたい方に向けて、おすすめの対策や導入時に注意すべき点を解説します。安全なインターネット利用に向けて、セキュリティ強化に努めましょう。
安全対策の基本知識を強化
さまざまなセキュリティ対策を行う前に、まずは安全対策に欠かせない基本的な知識を身につけましょう。インターネットを利用する際のセキュリティ対策に関する意識を高めることが重要です。
氏名や住所、電話番号、メールアドレスなど、個人を特定できる情報をインターネットの掲示板に書き込んだり、他人に教えたりしないように心掛けましょう。無料のサイトや信頼できないサイトには個人情報を入力しないことが重要です。
ログインに必要なパスワードを他人に教えないことも守りましょう。推測しやすいパスワードを設定しないことも求められます。
家族でインターネットを利用する場合は、セキュリティ意識が低い世代にも対策の必要性を伝え、意識を高めることが重要です。フィルタリングソフトやサービスの利用も有効な対策と言えます。
また、銀行口座やカード決済などが悪用されていないか、定期的にチェックすることも欠かせません。
セキュリティ対策も一緒にできるネット回線と契約
インターネット回線の利用とセキュリティ対策がセットで使用できるサービスを利用すると便利です。
インターネット回線を契約した後に他社のセキュリティサービスを利用する場合、どの会社のサービスを選べば良いか迷うこともあるでしょう。
インターネット回線とセットになっている場合、通常の回線契約時にセキュリティソフトの利用契約もできるため、別途セキュリティ会社を選んで契約する手間と時間を省くことができます。
TOKAIケーブルネットワークの「ひかりdeネット」の場合、戸建て住宅で1~10Gをご契約の方はひかりdeネット回線契約にセキュリティ対策が標準装備されているため、どのセキュリティ対策を導入するか迷う必要がありません。
集合住宅の場合も、通常の回線料金に月額440円(税込)を追加することでセキュリティサービスを導入できます。スタッフによる訪問サポートや電話サポートも充実しているため、安心して利用できます。
インターネットセキュリティサービス(Security Z)
「Security Z SAFE」は、TOKAIケーブルネットワークが提供するマルチデバイス対応のインターネットセキュリティアプリです。
一つのインターネット回線契約で最大7台までセキュリティ対策ができるため、家族のインターネットライフを安心して楽しめます。セキュリティ意識の有無や年齢にかかわらず、インターネットの脅威から守ることが可能です。
WindowsやMac、Android、iPhoneなど、さまざまなデバイスに対応しており、幅広くご利用いただけます。
Security Z SAFEが利用している「F-Secure」のスキャンエンジンは、セキュリティソフト第三者評価機関AV-TESTによって、システムパフォーマンスの低下を避けたことや、マルウェアや不正アクセスなどをはじめとするインターネットの脅威に対して最高の保護を提供したことが評価され、さまざまな賞を受賞しています。
ウイルス対策に加え、Webサイトの閲覧制限やデバイスの使用時間制限なども可能です。また、ウイルス対策をしながらもパソコンのパフォーマンスを低下させないゲームモード機能も提供しています。
戸建て住宅にお住まいの方は、ひかりdeネット10G/3G/1Gコース(戸建プラン)を契約すると、Security Z SAFEを無料でご利用いただくことが可能です。
ネットのセキュリティを強化したい方は「ひかりdeネット」がおすすめ
インターネットが生活の一部となり、個人レベルでのインターネット犯罪が増えてきました。
自分や家族を脅威から守るためには、適切なセキュリティ対策と強化が必要です。
インターネット回線の切り替えや新規契約を検討している方は、セキュリティ対策も強化できるサービスの利用をおすすめします。
セキュリティ対策も一緒にできるネット回線を探している方は、TOKAIケーブルネットワークのひかりdeネットを検討してみてください。
お住まいの地域がひかりdeネットの対応エリアかどうかをご確認の上、ぜひお気軽にお問い合わせください。
2024年12月04日
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