ネット回線の「上り」「下り」とは?下りの速度が重要な理由も解説!
2022年02月02日 更新日:2024年02月28日
インターネットで動画を視聴中に止まってしまう、データのダウンロードに時間がかかるという場合、「下り」の通信速度が遅い可能性があります。そもそもネット回線の「上り」「下り」とは何なのか。この記事では、その意味とネットが遅いときの対処方法について解説します。
インターネットを利用していて遅いと感じる場合、回線の通信速度が用途にあっておらず、データの送受信がスムーズにできていない可能性があります。用途にあった回線を選ぶには「上り」と「下り」、それぞれの通信速度を確認しなければなりません。そもそも「上り」「下り」とはどのような意味なのでしょうか。
ネット速度の「上り」「下り」とは?
インターネット回線の通信速度は、「上り○○bps、下り△△bps」のように表され、送信と受信では速度が異なります。
上り速度とは?
上り速度とは、パソコンやスマートフォンなど自分の端末から、インターネット上にデータを送信(アップロード)する際の通信速度のことです。
メールの送信やGoogleドライブなどのクラウドストレージサービスなどへのアップロードなどが該当します。上り速度が遅いと、インターネット上への動画投稿など、データの送信に時間がかかります。
上り速度は、SNSや動画配信、双方向通信を行うビデオ会議やオンラインゲームなどが普及したことで、以前よりも重視されるようになりました。
下り速度とは?
下り速度とは、インターネット上から自分の端末に、データを受信(ダウンロード)する際の通信速度のことです。
メールの受信やWebサイトの閲覧、動画視聴、クラウドストレージサービスなどからのダウンロードなどが該当します。下り速度が遅いと動画の再生が途切れたり、インターネット上からデータをダウンロードするのに時間がかかったりします。
高品質であれば下り600kbps以上の速度があれば良いとされています。しかし、1.0Mbps未満ではカクつきが気になるケースがあり、上り・下りとも1.0Mbps以上の速度を確保するのが理想です。
また、ギャラリービューは参加する人数が多く、より高速なインターネット環境が必要になります。
「上り」「下り」で快適に使えるネット速度
上り・下りで必要な回線速度は、インターネットの用途で決まります。ここでは、主な用途で快適に使えるネット速度の目安を確認しておきましょう。
「上り」で必要なネット速度
●メールやSNSのメッセージ送信 1.0Mbps●SNSの写真投稿 3.0Mbps●SNSやYouTubeなどの動画投稿 10.0Mbps~●オンラインゲームなどのライブ配信 30.0Mbps~
何をアップロードするかで、上りに必要なネット速度は変わります。情報量が少ないテキスト(文字)データを送信するだけなら、上り1.0Mbpsもあれば十分でしょう。より情報量の大きな写真をSNSなどに投稿する場合は上り3.0Mbpsが目安です。
さらに情報量の大きい動画を投稿するには、上り10.0Mbps以上が目安です。ライブ配信ではリアルタイムでデータ送信を行うため、上り30.0Mbps以上の速度でないと途切れてしまうおそれがあります。
通信速度が遅いと感じる場合は、スピードテストで実際の回線速度を測定してみましょう。利用している回線本来の速度を下回っているようなら、回線や配線、端末のいずれかに問題が生じている可能性があります。
「下り」で必要なネット速度
下りに必要な回線速度は、受信するデータ量で決まります。
●LINE、メール:1.0Mbps程度●サイト閲覧:1.0~10.0Mbps●動画視聴:3.0~25.0Mbps●オンライン会議:10.0~15.0Mbps●オンラインゲーム:30.0~100.0Mbps
LINE・メール
LINEやメールなどテキストデータを受信するだけなら、下り1.0Mbps程度の速度で快適に使えます。ただし、高画質の写真や動画などが添付されていると、開くのに時間がかかる場合もあります。
サイト閲覧
最近では情報量の多いWebページが増えており、ストレスなく閲覧するには下り10.0Mbps程度のネット速度があったほうがよいでしょう。
動画視聴
動画投稿サイトなら下り3.0Mbps以上、動画配信(ストリーミング)サービスで高画質の動画を楽しむなら、下り30.0Mbps程度の速度は欲しいところです。下り速度が遅いと動画や音声が途切れてしまうおそれがあります。
オンライン会議
オンライン会議をスムーズに行うには、上り・下りともに10.0~15.0Mpbs程度の回線速度が必要です。オンライン会議では動画の送受信が同時に行われるため、下りと同じくらい上り速度が必要になります。
オンラインゲームでは、下り速度のほか「ping(ピン/ピング)値」も重要です。ping値は応答速度(情報のやり取りのスムーズさ)を表す指標で、値が小さいほど反応が速い回線です。目安は30msといわれていますが、FPSや格闘系など、反応速度が勝敗を左右するゲームをプレイするなら、できるだけping値が小さい回線を選びましょう。
「上り」「下り」どちらかだけのネット速度が遅いときに確認すべきこと
「上り」「下り」どちらかだけのネット速度が遅いときに確認すべきこと
「上り」だけが遅い
そう起こることではありませんが、上りだけが遅いと感じたら、考えられるのは以下の原因です。
●契約している回線の上りの回線速度が遅い●プロバイダの帯域制限●配線に問題がある●使っている端末が古い、機器の不調
まず上り・下りの回線に最初から差があるケースです。例えば光回線の速度は上り・下りともに1.0Gbpsのことが多いですが、実際の通信速度の目安は上り236.0Mbps・下り309.5Mbpsです。
次にプロバイダが帯域制限を行っているケースです。帯域制限とは回線が混んでいるときに通信速度を落とす措置で、ユーザーが集中する時間帯によく行われます。
家庭内の配線に問題があるケースもあります。ケーブルがしっかり差し込まれているか、LANケーブルが劣化していないかを確認してください。使っている端末やルーターが古い場合、その性能や不調が原因かもしれません。
「下り」だけが遅い
利用者が多いと遅くなるのは、道路の渋滞と同じです。例えばマンションに引かれている回線は住人間で共用となっており、同時に多くの人が利用したり、誰かが大量のデータをダウンロードしていたりすると、とたんに遅さを感じます。
下り速度を向上させるには、利用者の少ない時間帯に利用する、次世代通信規格である「IPv6(IPoE方式)」を利用する、より高速な回線・プロバイダに乗り換えるといった対策が考えられます。
IPv6(IPoE方式)は、利用できるプロバイダやサイトがまだ限られていますが、帯域が広いことで渋滞を起こさず、回線が遅くなりにくいという特徴があります。IPv6を利用するなら、IPv6に対応していないサイトにもアクセスできる「IPv4 over IPv6」を利用するのがおすすめです。
上り・下りのネット速度を理解して快適にインターネットを使おう
必要となる通信速度はその用途によって異なり、動画投稿などには上り速度、動画視聴などには下り速度、双方向通信を行うオンライン会議やライブ配信などには上り・下り両方の速度が重要になります。
上り・下りそれぞれの意味を理解して、用途にあった通信速度の回線を選び、快適にインターネットを使いましょう。
2024年11月11日
ヘルスケア